諏訪一大事。いざ井戸尻へ

7月26日(土)の午前3時ごろ井戸尻考古館に到着し車の中で仮眠をとり、夜明けとともにテントの設営をしました。
 真夏の灼熱の太陽光線を感じる午前11時ごろから人々が集まり、私たちのブースにも縄文に興味をもつ人たちが訪れてくれました。
『ピースデイin 八ヶ岳』のプレ・イベントの日です。

 「アイヌ祭り(蓮祭り)in 八ヶ岳―井戸尻遺跡」に応募し、一角を提供されて拙著の販売とテントの中での「プチ・セミナー」を開きました。
 セミナーの方は、地もとの人たち、そして全国の遠方から来ていただいた人たちの「縄文」に対する真摯な取り組みに助けられて、私たちの目標を大きく越えて成功裡に終わることができました。この場をお借りして感謝の気持ちを伝えたいと思います。ありがとうございました。
 これからも皆様方と一緒に縄文人が一万年にわたって培った理念「融和と共生」の思想を全世界に広めて行きたいと思います。
雷は「神鳴り」!
 それは縄文人の怒りの現われか、それとも歓迎のセレモニーか、驚愕の現象が起りました。私たちは適宜、夕食をとり前夜の睡眠不足を解消すべく、早めに就寝の準備に取り掛かりました。そんな時、突風が吹き、ピカッと稲光が走りドーンという雷鳴とともにザァー雨が降ってきました。その光と雨と水による協奏曲は一段と激しさを増し、嵐の様相を呈してきました。
 テントの中は水浸しになり、倒されるテントも。一人は車に、一人は近くの竪穴住居に避難しました。翌日、地元の人たちは、「夕べのように激しい雷雨は、ここしばらくなかった」といっていました。地元の人たちもびっくりするほど激しい雷雨でした!
 私たちは一つの自然現象に遭遇したわけです。これは偶然の一致でしょうか、それともほかに意味があるのでしょうか。それは個々の人たちの感覚に左右される問題です。私たちの深層心理には、この現象にあって「歓迎か怒りか」という思いが脳裏を横切るものがあることは否定できません。
 雷は甲骨文では、神のそれを裏返した形です。すなわち、神の初文を百八十度のねじったものが雷の初文ということです。神の形の百八十度の反転形が、雷鳴り→雷成り→雷(カミナリ)→神成りということになります。
 百八十度のねじれ、つまり百八十度の反転形はメビウスの帯にみるごとく「新しい形」を生みだします。日本人はこのような百八十度の反転現象に根ざす思想を縄文以来、一万年という気の遠くなるような年月を越えて引き継いでいます。
 神と雷にみる「百八十度の反転」現象は、わが日本人のアイデンティティーを形成するものであるといっても決して過言ではないでしょう。
 それは「しめ縄」に象徴されます。神社に見られるこのしめ縄は図形の素粒子、それは向って右側からみれば、へこんで見え、左側からみるとふくらんでみえるという、半円形の図形です。カタカナの「ノ」の字を連想していただければよいかと思います。これを向かい合わせに組み合わせ、片方を上下に少しずらします。左側の「ノ」の字と右側の「ノ」の字の両端を貼り合わせます。するとS字形、あるいは逆S字形が生じます。このS字形の連続形と逆S字形の連続形は、起点を固定して撚ると、しめ縄ができます。つまり、二本撚りのしめ縄は、二本の螺旋形から成り立っていることがわかります。
 他方において、さきのS字形は渦巻きを表わすものでもあります。そのS字形をしめ縄状文様と共有しています。この共有の意味は、S字形がS字渦文であることを物語っています。
 S字形=S字渦文の等式は、重大なことを私たちに教えています。その重大なこととは、神社の拝殿に備えられているしめ縄は、次に示すものと同じ意味を共有しているということです。
① 正逆S字渦文
② 神(神の初文)
③ 雷(雷の初文)
上記の①、②、③はしめ縄と等式で結ぶことができます。
 井戸尻で近年にない大雷雨に遭遇した私たちは、その神成り〔雷=神〕を表わす注連縄(七五三縄)を大滝神社で見ることになります。
「未知との遭遇」―大滝神社の出来事―
 大滝神社と聞いて、さぞかし大きな滝と思い込んでいたせいか、その滝に気づくまで、少し時間がかかりました。つい「これっ」と声がでてしまいました。
 Iさんが「あれは木で作られている」といったのは、滝の導水部分のことでした。私はそれが木であることに気(木)づきませんでした。
 鳥居を潜って拝殿に近づくと立派な注連縄(七五三縄)が目に飛び込んできました。三本締めでした。「三本締めだ。これからは日本も『さんぽん』と国名を改めなくては」というと笑いが起りました。そのしめ縄の両端は蛇の尻尾のごとく細くなっています。そして、S字形をもっていました。
 私はそれをみて、「S字形→S字渦文」の図式を連想しました。その直後、「そうだ。この図式によってしめ縄と渦巻きを明確に結ぶことができる」と確信しました。これが前述の
・注連縄(七五三縄)=正逆S字渦文=神=雷
に示される等式です。

 小さな大滝神社での未知との遭遇は、ほかにまだあります。
滝の水は甘く美味でした。この滝つぼから左の方角に磐石(いわくら)があります。その傍らに「〇影太神」と彫られた石があり、その〇部分の一つの文字の判読に時間がかかりました。
 Nさんが「彗星の彗ではないか。とすれば、隕石を古代人が火の玉の落下とみて神として崇めてきたと考えられる」と指摘しました。この意見が一番説得力をもっています。
 その磐石の登り口に宝珠形を戴く二基の灯篭があります。登る時にはその灯篭にロウソクが灯されていなかったはずなのに、………不思議に思っていると、同行したハッチさんが持ってきたものであることが、すぐにわかりました。
 ロウソクの火をじっと見つめていると、燃える炎が宝珠形であることに気づきます。その炎は右左にゆらゆらと揺らいでいます。まるで生きているようです。火は自然界のものに作用して新しい物質と新しい形を生みだします。すなわち、自然に作用して私たち人類に役立つ恵みを与えてくれます。しかし、反面において、火事ややけどを発生させ生命を奪うことがあります。雷も同じです。人類にとって火は、幸と不幸をもたらします。
 ロウソクの燃える炎は、火の玉でもあり、その形は宝珠形をもっています。つまり、火の玉は「宝珠の玉」でもあります。ここに『広辞苑』の「尖頭で、頭および左右の側から火炎の燃え上がっているさまの玉」と解説する意味がよく理解されてきます。これに加えて、左右に揺らぐ炎に生きている宝珠形、つまり「火の魂」を予想するのは私だけではないでしょう。
 ロウソクの炎に「火の魂」を連想する時、前述のいわくらに隕石(火の玉)を予想することは必然であり、さらに『彗影太神』と表記される蓋然性を物語っています。
 井戸尻の小さな大滝神社から多くの知識を得ることができました。大滝神社の神様にお礼申し上げます。
             一礼ニ拍手一礼。
はっけよい、のこった
 大滝神社を私たちがお参りした日は、大相撲名古屋場所の千秋楽です。相撲はひょうたん形の軍配をもつ行司さんの「見合って、はっけよい、のこった」の掛け声とともに開始されます。
なぜ、大滝神社で相撲の話がでたのか、そのわけは、私が木の葉をもじって「葉っぱ六十四、この六十四は塩基の数に該当します」といって、『易』の話に移り、当たるも八卦、当たらぬも八卦といった時、もうひとりのNさんが、そのあとに「のこった」があるよといったからです。
 もうひとりのNさんのいうとおり確かに「はっけよい、のこった」と行司はいっています。この「のこった」は何を意味しているのかということが議論になりました。遠くから誰かが、「縄文の精神」が残ったと言いました。
 皆さんはどう思いますか。日本の国技とされる大相撲と縄文を結ぶことは飛躍した考え方と思いますか。
このあとで、「のこった」が残っているよといったNさんが「神社のしめ縄と同じしめ縄を横綱は締めているよ」といいました。そうです。これで決定です。大相撲と縄文文化を結ぶ絆はこのしめ縄です。土俵の円形を象るのもこのしめ縄です。
「はっけよい、のこった」とは、吉とでるか凶とでるか、相対する二者に分類され、はっけよいの「よい」、つまり「吉兆」を予想しています。しかし、勝者がいれば敗者もいます。敗者にとっては「凶兆」となります。しかし、その敗者とて大相撲はその存在する意味を認めているのです。決して見捨ててはいません。なぜなら、相撲を取るには二人の力士を絶対的に必要とするからです。
そして、「残った」は勝者を称える言葉であり、しめ縄に象徴される「縄文の理念」である「融和と共生」思想の残ったでもあります。注連縄(七五三縄)は縄文時代から銅鐸・銅矛が祭祀された時代、卑弥呼の邪馬台国時代を中興として古墳時代、『記・紀』編纂時代を経て、現代に継承されています。文字通り「はっけよい、のこった」そして「のこった、のこった」と何度も繰り返されるのです。
わが縄文人の編み出した縄目文様は注連縄(七五三縄)として、大相撲に発見される双曲幾何と楕円幾何、円接正多角形の概念は一万有年余を経た現代に引き継がれています。皆さんと一緒にその縄文人の末裔として、このような「融和と共生」の思想を保持し続けてきたことを誇りとしたいと思います。
おわりに
 軽自動車の後部ガラス貼り付けた「縄文が世界を救う」。素人づくりのPOPを見ていただいた方々に御礼申し上げます。見てくれた人がいたことを知ってうれしく思いました。このスローガンの普及に是非ご協力ください。今一度、縄文人の育んだ「融和と共生」の思想を多くの人たちが、考えていただければ、幸いに思います。

〔縄文人の思考法に学ぼう〕
トポロジーの視点をもてば、それまで見えなかったものが見えるようになり、わからなかったことがわかるようになります

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


*

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください